子供と同じようにラクダや羊を育てている。
もしかしたら、子供よりも手間を掛けてるかもしれないよ

午前7時、砂漠へと向かいました。ベドウィンと呼ばれる遊牧民の暮らしを見るためです。砂漠といえば、果てしなく広がる砂山を思い浮かべるひとも多いでしょうが、実際にはゴロゴロの岩地や硬い土の荒野もあり、その表情はさまざまです。

ハサン・マザナさん(45歳)が出迎えてくれました。まずテントのなかでお茶が振る舞われました。これは来客に対してベドウィンが必ず行う儀式です。ハサンさんの主な仕事は羊の放牧。毎日5、6時間、24頭の羊を追うのです。「砂漠はとても静かだし、町と違ってトラブルも少ないよ。町の生活が悪いとはいわないが、ラクダや羊と暮らす今の生活が好きだよ」とハサンさん。

15頭のラクダがいると聞きましたが、姿が見えません。早朝に放しておけば夕方に戻って来るのだそうです。呼び戻せるか尋ねると、ハサンさんが何か叫びはじめました。すると向こうからラクダが姿を現しました。名前を呼べば、遠くにいても帰ってくるのです。ご褒美に、ハサンさんの奥さんが枯れ草を与えます。ラクダの足を見ると、遠くに行きすぎないように紐で縛り付けられています。発情期の雄は気が荒くなっているので繋がれています。