今回作ったのがメスのタンボール(高音)、
小さい方がオスのタンボール(低音)

次に、くりぬいた木のベースを、特殊なヤスリで削っていきます。この作業を怠ると、音色が微妙に狂うそうです。さらに外側も。情熱をこめた仕事ぶりが、この仕上がりの美しさから窺えます。楽器に張るのは山羊の皮。天日で一日干したものを使います。位置を合わせたら、枠を取り付けます。その後、皮の毛をカミソリで器用に剃っていきます。これで見慣れた太鼓の姿に。皮の毛はあとから剃るというのを初めて知りました。

このあとは、一番弟子と一緒に、皮の張りと音の調整です。ロープと楔(くさび)を使って、皮の張りを強くしていきます。最後はファンさんが、音のチェック。出来を尋ねると、「ギターの音色を調整するネジと同じで、皮の張りと音の調整だよ。トゥルル?、というような音が出ればいい出来なんだ」という返事が返ってきました。

完成したタンボールには、あとひと工程が。それは自分の焼印を押すこと。これが品質保証にもなります。名人ファンさん製作のタンボールは、よそでは決して手に入りません(15万ペソ=約10,000円)。「メスのタンボールは、高音で踊り出してしまう音だよ。このメスの跳ね上がってしまう音を押さえるのが、低音のオスのタンボールなんだ」とファンさん説明してくれました。高音と低音のアンサンブルが、タンボールの魅力なのです。